中絶手術の後遺症・合併症にはどんなものがある?
中絶手術は、身体的にも精神的にも負担のかかる手術です。それゆえに、手術には後遺症や合併症を引き起こす可能性もあります。本記事では、そんな中絶手術の後遺症・合併症について詳しく解説します。
どんな症状になる可能性があるのか、ぜひ理解した上で手術を検討してみてください。
中絶手術の後遺症・合併症
中絶手術の後遺症・合併症は、身体的なものと精神的なものに分けられます。
具体的な症状について、それぞれ見ていきましょう。
中絶手術の身体的な後遺症・合併症
中絶手術を行うことによる身体的な後遺症・合併症には、次のようなものが挙げられます。
- 生理中のような痛み
- 生理中のような出血
- 気分の悪さ
- めまいや頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 逆行性健忘
1つずつ見ていきましょう。
生理中のような痛み
中絶手術を終えた後は、子宮が元の大きさに戻ろうと収縮するため、生理中のような痛みを感じます。痛みは、数日〜1週間ほど続く場合が多いです。
痛みが強くて気になる際は、鎮痛剤を内服してできるだけ安静に過ごしましょう。
生理中のような出血
個人差はありますが、出血の症状が現れる方もいます。生理2日目程度の量が出る方や、ほとんどでない方など様々です。出血が続く期間も、1〜2週間の方もいれば、1ヶ月近く続く方もいます。
中絶手術後に出血が止まらない、明らかに量が多い場合などは、別の病的な要因の可能性もあるため、クリニックに相談してください。
気分の悪さ
手術の際に麻酔を打つことで、気分が悪くなる場合もあります。人によっては、帰宅後も気持ち悪さを感じることがありますが、翌日には治っていることが多いです。
治りを早くするためにも、できるだけ手術後は安静にすることをおすすめします。
めまいや頭痛
めまいや頭痛も麻酔の影響で発症することがあります。覚醒後およそ30分ほどで治る場合が多く、安静にしていることで治りやすいです。
めまいや頭痛のある時に移動するのは危ないので、静かに過ごしましょう。
吐き気・嘔吐
麻酔から覚めた後に吐き気を感じたり、気持ち悪かったりなどの症状を伴う場合があります。症状がひどいと嘔吐してしまうこともある後遺症です。
吐き気や嘔吐を引き起こさないために、術前は規定の時間以降の飲食を避けるのが大切になります。
逆行性健忘
逆行性健忘は、麻酔を投与した後のことを一時的に忘れてしまう症状です。手術中に記憶がないことや痛みを感じないのは当然ですが、中絶手術後に麻酔から覚めて30分ほど、会話や行動などを忘れてしまうことがあります。
逆行性健忘も、30分程度経つことで症状は治るので、あまり心配しすぎずに安静に過ごしましょう。
中絶手術の精神的な後遺症・合併症
中絶手術を行うことによる精神的な後遺症・合併症には、次のようなものが挙げられます。
- PTSD(心的外傷ストレス)
- 過剰反応
- 侵害行為
- 抑圧
- 摂食障害
- 不信感
- 無感情
こちらも順番に見ていきましょう。
PTSD(心的外傷ストレス)
PTSDの中には、PAS(中絶後遺症候群)という精神的な後遺症があります。中絶手術によるストレスや感情抑制から、身体や心、行動などに悪影響を及ぼす症状です。
具体的な症状に、過剰反応や侵害行為、抑圧があります。
過剰反応
過剰反応は、物事に過剰に警戒したり、イライラしたりする症状です。怒りの爆発や短気、攻撃的行動、集中障害、苦悶発作、睡眠障害などの症状を発症します。
イライラしやすかったり、しっかり眠れなかったりするので、肉体的にも疲弊しやすくなってしまいます。
侵害行為
侵害行為は、中絶手術に対する悪い感情が引き起こされたり、うつ状態になってしまったりする症状です。中絶手術に対するマイナスの感情が大きく現れることによって、気持ちが落ち込んでしまいます。
抑圧
中絶手術のことを忘れようとする際に、抑圧が発生します。自分の感情や考えを否定してしまったり、子どもを避けてしまったりなど、とにかく中絶に関することを考えないようにしてしまうのです。
摂食障害
中絶手術後に摂食障害を発症してしまう方もいます。食事の量や食べ方など、食事に関連した行動の異常が続いてしまう後遺症です。
身体と心の両方に影響を及ぼしてしまうので、注意が必要な症状と言えます。
不信感
手術後に不信感を覚えてしまう場合もあります。自分の考えや相手に対する気持ちなど、信頼・信用できない状態が続いてしまい、精神的なストレスに繋がる症状です。
無感情
中絶手術後に、無感情になってしまう方も一定数います。症状としては稀ですが、なかなか症状として認知されづらく、治すのも容易ではありません。
中絶手術の後遺症|不妊について
中絶手術を行うと「その後不妊になってしまうのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。結論をお伝えすると、中絶手術を行うことで不妊になるというわけではありません。
不妊の原因には様々なものがあり、特定するのは難しいです。中絶手術に関連した不妊の原因は、術後の感染症によるものや、子宮内腔癒着症が発生した場合などが挙げられます。
このような症状や後遺症が発生しなければ、中絶後も妊娠・出産は可能です。
中絶手術の後遺症|子宮内膜症について
中絶手術の後遺症として、子宮内膜症を発症する可能性もあります。子宮内膜症は、何らかの原因で子宮内膜に細菌が入り込んでしまい、炎症を引き起こしている状態です。
中絶手術の場合だと、手術中に細菌が入り込むケースがほとんどでしょう。中絶手術後は、体力や抵抗力・免疫力が落ちている状態のため、子宮内膜症には十分注意が必要です。
中絶手術は清潔状態で行い、手術中には抗生剤の投与をし、手術後には内服薬の服用が重要です。また、術後は体力を早く回復することで子宮内膜症になることを防ぎます。
まとめ
今回は、中絶手術の後遺症について詳しく説明しました。
身体的にも精神的にも、中絶手術には様々なリスクが伴います。これらのリスクを踏まえた上で手術を検討し、安全な方法で中絶を行いましょう。
池袋クリニックでは、患者様と納得がいくまで説明・相談することで、中絶手術をできるだけ安全に行っています。事前に不安なことや気になることをご相談いただくことで、術後の精神的な後遺症の発生を防げることもあります。
まずはぜひお気軽に相談してみてください。