中絶手術の前処置に痛みとは?麻酔処置とあわせて解説
中絶手術の方法によっては、前処置を行い手術しやすくします。この前処置が痛いと聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?
事前に痛いと聞いてしまうと、中絶手術に踏み切る勇気も挫かれてしまいますよね。本記事では前処置の具体的なやり方とあわせて痛みについて解説します。
手術で使うことになる麻酔についても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
中絶手術の前処置について
人工妊娠中絶手術を行う前に、前処置を行うことがあります。これは、中絶手術をしやすくするために行い、具体的には子宮頚管を広げるための「拡張作用」と、柔らかくする「熟化作用」の処置です。
中絶手術の前処置は、手術の方法や時期によって行うか行わないかが決まってきます。どんな時に前処置をするのか確認しましょう。
中絶手術の方法
中絶手術には主に「掻把法(そうはほう)」と「吸引法」の2種類があります。
掻把法の場合、子宮頚管を拡張しておかないと手術が難しくなるため、基本的に前処置を行います。一方、吸引法は吸引器を使うことで子宮内容物を吸引する方法で、前処置は行いません。
池袋クリニックでも、吸引法を採用していますので前処置は行っていません。
中絶手術の時期
中絶手術は、妊娠週数によって「初期中絶」と「中期中絶」に分けられます。
中期中絶の場合は、薬を服用して陣痛を誘発し、分娩という形をとるため、基本的に前処置が必要です。
初期中絶の場合は、手術方法で紹介した掻把法か吸引法で手術を行うため、吸引法であれば前処置がない可能性が高いでしょう。
中絶手術の前処置にかかる時間
中絶手術の前処置は、手術の前日か手術2時間前などに行います。
前処置では、子宮口を拡張する棒状の器具(ラミセル、ダイラパンなど)を挿入します。前処置自体の時間はそれほどかかりません。
前処置を行うタイミングや時間はクリニックによって変わってきますので、気になる方は事前に確認しておくと良いでしょう。
中絶手術の前処置は痛い?
中絶手術の前処置で多くの方が気になるのが「痛み」です。痛いものはやっぱりしたくないですし、どの程度の痛みなのか気になる方が多いでしょう。
前処置は、先述したように子宮頸管にスポンジのような素材の細い棒状の器具を挿入します。
棒状の器具は子宮頸管内に挿入することで水分を吸収して子宮口をゆっくりと押し広げるのですが、その際に痛みがあります。
痛みには個人差はありますが、中絶手術が痛かったと言われる方のうちの多くは、手術自体の痛みではなく、この前処置の痛みを感じていると考えられます。
中絶手術の麻酔について
中絶手術を行う際には、一般的に点滴から投与される全身麻酔が選択されます。
意識のない状態になるため、手術中に痛みを感じることはありません。
中絶手術の麻酔の種類
中絶手術で用いる麻酔の種類には、意識が完全になくなる「全身麻酔」と、意識は残るけれど痛みはなくなる「局所麻酔」に分けられます。
それぞれの麻酔について、特徴を確認しましょう。
全身麻酔
全身麻酔には、呼吸作用を残した浅い麻酔と、呼吸作用と筋緊張をなくし、挿管する強い麻酔の2つがあります。
前者の浅い麻酔が「静脈麻酔」で、後者の強い麻酔が「吸入麻酔」です。吸入麻酔は長時間の本格的な中絶手術の際に使用します。一方、静脈麻酔は全身麻酔の中でも軽い麻酔です。
静脈内に麻酔を投与することで睡眠状態に入り、あわせて鎮痛剤を併用すると、眠った状態で痛みを和らげて手術しやすくなります。
また、静脈麻酔はすぐに覚醒しやすいため、短時間の手術に適した麻酔です。
局所麻酔
局所麻酔は、手術をする身体の部位に麻酔を投与し、その部分のみ痛みを感じなくさせる麻酔です。主に比較的小さな手術や、意識は残しておきたい手術を行う際に用いられます。
中絶手術の場合、吸引法で子宮頚部への局所麻酔を行い手術するところもあり、短い時間で手術が終わるので帰宅時間も早まるメリットがあります。
池袋クリニックが中絶手術で使う麻酔について
池袋クリニックの場合、麻酔による呼吸抑制をできるだけ防ぐために、2種類の麻酔薬を併用しています。
これにより、手術の痛みをより一層感じにくくなり、結果的に麻酔用量を減らせるため呼吸抑制が起こりにくくなるのです。
患者様の手術が安全に行われるよう、麻酔薬にも配慮していますので、安心していただければと思います。
まとめ
今回は、中絶手術の前処置と麻酔について解説しました。
前処置は、主に掻把法で手術を行う際に処置を行います。クリニックによって異なりますが、手術の前日か手術前2時間で行う場合が多いです。
痛みが心配な方は、中絶手術に前処置の必要がない吸引法を採用しているところが良いでしょう。また、手術に使う麻酔は基本的に全身麻酔のところが多いです。
当院では患者様の負担にならないよう2種類の麻酔薬を使用し、日帰りで母体に負担の軽い中絶手術を心がけています。