外陰部の異常とは?
病気によって外陰部に異常が起こる場合もあります。この場合はかゆみが起こったり、外陰部にできものが出来たり、なんらかの身体的症状があらわれますので注意しましょう。
外陰部の異常として痛みを伴う水泡や潰瘍が見られた場合は、ヘルペス感染症の可能性が高く早めの診察が必要です。痛みを伴わないできもの(イボ)が外陰部に見られた場合は、尖圭コンジローマの可能性が高く、外用剤塗布もしくは電気メスによる焼灼手術が必要になります。
コンジローマの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV6型・11型)の感染であることが解明されていて、ガーダシル(HPVワクチン)の接種をすることで予防が可能です。
外陰部に気になる症状があったとき、心配のない場合もあれば病気のサインの場合もあります。ヘルペス・カンジダ・コンジローマなど、さまざまな病気の症状でもありますので、早めの受診をおすすめします。
外陰部に異常を起こす病気
外陰部のかゆみ
汗をかいた時や排便後に清潔にしなかったことが原因で起こる一時的な外陰部のかゆみは、清潔にすればすぐに治ります。
しかし、皮膚炎やカンジダなどの細菌感染などによる外陰部のかゆみの場合は、いろいろな病気のケースが考えられますので診療を受けましょう。
外陰部のかゆみが起こる場合には、以下の病気が考えられます。
- 外陰掻痒症
- 外陰炎
- カンジダ外陰炎
- 毛じらみ
- トリコモナス症
※アレルギーや体質による接触性皮膚炎、脂漏性湿疹、自家感作性皮膚炎などの場合もあります。
外陰部の腫れ、ただれ
かきすぎてしまい、赤く腫れてしまったり、外陰部のかゆみやヒリヒリした痛みを伴う症状もあります。細菌が原因で炎症している場合があるので、早めに受診するようにしましょう。
このような症状が出る病気は以下です。
- 外陰炎
- カンジダ外陰炎
- バルトリン腺のう腫(痛みなし)
- バルトリン腺炎(痛みあり)
- トリコモナス症
外陰部の痛み
生理用品、下着によるこすれなどから皮膚に炎症や湿疹ができ痛む場合がありますが、皮膚ではなく小陰唇、大陰唇の内面に痛みを感じる場合は注意しましょう。
小陰唇、大陰唇の内側に痛みを感じる病気は以下です。
- 外陰潰瘍(ベーチェット病、梅毒)
- 性器ヘルペス
- バルトリン腺炎
外陰部のしこり・できもの
外陰部のしこりにも、良性のものと悪性のものがあります。放置せずに気がついたら早めに受診してください。
ニキビのようなものや水疱やイボなどはすぐ治療できるものもありますが、中には性行為や排泄などにより、細菌に感染している場合もあります。
外陰部にしこりやできものが出来る病気は以下の病気が考えられます。
- 尖圭コンジローマ
- 膣前庭乳頭症(コンジローマとの鑑別を要する良性所見)
- 梅毒
- 外陰脂肪腫
- 毛のう炎
- 外陰がん(発症確率は非常に低い)
このように外陰部の異常が見られた場合には、婦人科のクリニックで診療することをおすすめいたします。