当院は、女性専用のクリニックであり、普段から低用量ピルを服用し通院している方も多く、処方のついでに、頭痛の相談、風邪や花粉症の相談、胃や腸などの消化器の相談、一般的な内科採血、アレルギー検査などにも対応しております。
また、診察を行う医師は婦人科の医師が担当いたします。
そのため、下記の診療科は病状により、当院で診察した医師が、各専門医の診察・精密検査・治療が必要と判断した場合には連携している豊島区医師会専門医や大学病院専門医にご紹介させていただきます。
泌尿器科の症状
膀胱炎
膀胱炎は、男性より女性に多くみられる疾患で、細菌感染に伴い発症する疾患です。頻尿、残尿感、排尿痛が主な症状で、悪化すると血尿も見られることがあります。
水分を多く摂取することで、改善することもありますが、あまり放置すると腎盂腎炎になり、40度近い高熱が出て入院になることもあります。尿検査で診断は可能で、抗生物質、鎮痛剤の投薬により加療します。
過活動性膀胱
頻尿が主訴の疾患です。トイレに行ったばかりなのに、またすぐに、トイレに行きたくなります。尿検査をしても膀胱炎とは違い、タンパクも潜血も出ないので、抗生物質を服用しても改善しません。
原因は色々ありますが、心因的な要因や加齢に伴うことが一般的です。尿検査と問診で診断は可能で、抗コリン薬や必要に応じて抗不安薬の投薬により加療します。
尿漏れ・尿失禁
切迫性尿失禁
尿意が切迫してから起こる尿失禁で、高齢者に多い病気です。抗コリン薬投薬にて加療。
反射性尿失禁
反射的に起こる尿失禁です。原尿意を感じない間に、膀胱に尿が充満し、膀胱括約筋などを刺激して反射的に尿を失禁する病態。抗コリン薬投薬にて加療。
溢流性尿失禁(奇異性尿失禁)
尿が膀胱に入りきらずに溢れ出てくる尿失禁で、女性の場合は巨大な子宮筋腫などを合併している場合に起こりうる病態です。原因となる疾患の除去が必要。
腹圧性尿失禁
腹圧をかけると起こる尿失禁。35歳以上の女性に多く、出産経験回数に比例し、肥満女性にも多く見られる。
骨盤底筋群を鍛える運動を日々行うことで治療や予防になる。
※上記の内容は病状により、当院で診察した医師が、各専門医の診察・精密検査・治療が必要と判断した場合には連携している豊島区医師会専門医や大学病院専門医にご紹介させていただきます(当院は婦人科医師の診察となります)。
女性の痔
痔核(いぼ痔)
内痔核
痔核は、直腸の下や肛門にある静脈を含めて肛門を閉じる役割をするクッション部分がうっ血してふくらんだもの。この痔核が歯状線より内側にできたものを内痔核といいます。
痛みはほとんどなく、排便時に出血したり、肛門から脱出して気がつくケースが多いよう。肛門から脱出したときには、肛門から飛び出してくる感じや異物感があります。
外痔核
肛門の歯状線より外側にできたものをいいます。肛門の外側に血まめができた状態で、血栓性外痔核といいます。腫れて激しく痛むことが多いのですが、出血は少ないです。
裂肛(切れ痔)
肛門の皮膚が切れたり裂けた状態。便秘がちな女性に多く見られます。排便時に激しい痛みと出血があります。排便後もしばらく痛みが続くこともあります。
痔ろう(あな痔)
歯状線にあるくぼみに大腸菌などが感染すると、炎症が起こり、化膿して膿がたまります。この段階はまだ肛門周囲膿瘍です。しかし、この症状が繰り返されることによって、細菌の入り口と膿が皮膚を破って流れ出る部分まで、1本のトンネルのように貫通します。これが痔ろうです。
肛門の周囲の皮膚が腫れて痛みを伴い、ときには熱が出ることも。痔ろうまで進むと、膿が出て下着が汚れます。痔瘻の治療は手術になります。
頭痛の相談
慢性頭痛
緊張性頭痛
頭の周りを何かで締めつけられるような鈍い痛みが慢性的に起こる頭痛で、肩や首の強いこり、めまい、ふらつき、全身のだるさなどの症状が表れます。
緊張型頭痛の発生には、身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられており、頭痛の原因となっていた生活習慣を改善するだけでよくなることもあります。
片頭痛
片頭痛では、頭の片側(または両側)で心臓が脈打つようにズキズキあるいはガンガンと痛む拍動性、もしくは持続性の頭痛発作を繰り返します。片頭痛には、前ぶれ(「前兆」と呼ぶ)を伴うタイプと前兆を伴わないタイプがあります。
前兆としては、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれるもので、視界に急に星やキラキラしたものが見え始め、視界の一部が遮られます。他にも、生あくびやめまい、情緒不安定、半身の感覚障害、運動障害、言葉が出にくくなる状態など様々な体調の変化を感じる場合もあります。
片頭痛が起こるきっかけは様々で、日常生活での食事・睡眠不足・心理的ストレス・天候の変化・光・たばこの煙などが引き金になるといわれています。
最近では、医療用成分でよく効く薬がありますので、専門医の診療を受けましょう。ただし、くも膜下出血などの重大な疾患と間違える危険性があるので慎重な判断が必要です。
群発頭痛
群発頭痛はある時期に集中して起こり、男性に多くみられます。
目の奥がえぐられるような激しい痛みが、数週から数ヵ月の期間、群発的に出現する頭痛で、夜間・睡眠中に頭痛発作が起こりやすいのが特徴で、発作の期間中は定期的に起こるほか、アルコールによっても誘発されます。
症候性頭痛
突然バットで殴られたような衝撃的な痛み、かつて経験のない激痛、突然嘔吐する頭痛、発熱を伴う頭痛、全身が脱力するような頭痛などの症状がある頭痛は、脳血管性など重大な病気が原因となっている場合があります。
例えば、くも膜下出血や脳腫瘍、慢性硬膜下出血、高血圧性脳症、副鼻腔炎、うつ病などです。今までと違う頭痛を感じた場合は、速やかに医師の診療を受けてください。
※上記の内容は病状により、当院で診察した医師が、各専門医の診察・精密検査・治療が必要と判断した場合には連携している豊島区医師会専門医や大学病院専門医にご紹介させていただきます(当院は婦人科医師の診察となります)。
気管支炎・上気道炎(風邪)
気管支炎とは
気管支炎とは、気管および気管支粘膜の炎症で、細菌やウイルス、科学性刺激ガスなど様々な原因で起こる病気です。
慢性気管支炎と急性気管支炎の2種類の気管支炎があります。
急性気管支炎
急性気管支炎は、主に激しい咳と痰が起こり風邪やインフルエンザなどの合併症として表れるので、これらの原因が取り除かれると、気管支炎も治まります。
風邪が喉頭よりも上部で炎症を起すのに対して、器官の方へ下行するのが気管支炎といえます。
慢性気管支炎
慢性気管支炎は、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎)に分類されCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれており、持続性あるいは反復性の痰を伴う咳が少なくとも連続して過去2年以上、毎年3カ月以上続くものと定義されています。
現在明確な原因は分かっていませんが、喫煙や加齢、気管支喘息、慢性鼻疾患、遺伝的に気管支壁が弱い、感染症、大気汚染などが原因と考えられています。主な症状としては痰が絡む咳が特徴で、痰は粘着性のあるものが多くなります。治療法としては、咳を切れやすくする去痰剤や気管支拡張剤などを使って気管支炎の症状を鎮めるといった対処療法が主な治療法となる為、根治は難しいです。
慢性気管支炎と診断された場合はこれ以上の悪化を抑制する為に、原因の除去として、禁煙の実行や部屋の清掃・換気などを十分に行うなどの生活習慣の改善が必要となります。
急性上気道炎(風邪)
急性上気道炎とは、いわゆる“かぜ症候群”のことです。
かぜなどの症状を引き起こすウイルスが鼻粘膜から咽頭粘膜に感染し、これらの部位にウイルスが増殖することによって、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛み、咳、発熱などの症状があらわれることを上気道感染症(かぜ症候群)と呼びます。
あらゆる年齢層に発症し、健常人でさえ大半の人が罹患するごく普通の疾患です。
通常1週間以内で自然に治りますが、治療中経過をみて症状が改善しないときは合併症や他疾患も疑われるのでかかりつけ医を受診してください。
甲状腺疾患
甲状腺疾患とは
甲状腺疾患とは、甲状腺の異常や障害によって引き起こされる症状の総称です。
甲状腺はのどぼとけの下にあり、発育や成長、新陳代謝に必要な甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
つまり、活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンです。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。
甲状腺の病気にはたくさんの種類がありますが、大きく分けると血液中の甲状腺ホルモン濃度が上昇する甲状腺機能亢進症(バセドー病)、低下する甲状腺機能低下症、良性腫瘍・悪性腫瘍を含む結節性甲状腺腫などがあります。
甲状腺疾患の種類
甲状腺の異常は、おもに以下の3つに分けられます。
- 甲状腺ホルモンが多い状態:バセドウ病など
- 甲状腺ホルモンが少ない状態:橋本病など
- 甲状腺におできができた状態:良性、悪性
甲状腺機能が低下すると、必要量の甲状腺ホルモンが作りきれない為に全身の新陳代謝が悪くなり、以下のような様々な症状が現れます。
全身症状 | 寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、声かれ、低音 |
---|---|
体温 | 低体温 |
顔つき・首 | むくみ、甲状腺腫大、のどの違和感、ボーッとしたような顔 |
神経・精神症状 | 物忘れ、無気力、眠たい、ボーッとしている |
循環器症状 | 徐脈、息切れ、むくみ、心肥大 |
消化器症状 | 食欲低下、舌が肥大、便秘 |
皮膚 | 汗がでない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白 |
筋骨症状 | 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ |
月経 | 月経不順、月経過多 |
血液値 | コレステロール上昇、肝障害、貧血 |
甲状腺の病気
甲状腺の病気には大きく分けて2つあります。
まずひとつとして、甲状腺に腫瘍ができるもの。腫瘍は良性のものと悪性のもの。もうひとつが甲状腺 のホルモン分泌の異常です。その他に甲状腺に細菌感染がおこる病気などがあります。中には両方が同時におこる病気もあります。
甲状腺の良性腫瘍
腺腫様(せんしゅよう)甲状腺腫、プランマー病、甲状腺嚢胞(のうほう)など
甲状腺の悪性腫瘍
甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞(ろほう)癌、甲状腺髄様(ずいよう)癌など
甲状腺ホルモンが増加する病気
甲状腺機能亢進症、甲状腺中毒症、バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎など
甲状腺ホルモンが減少する病気
甲状腺機能低下症、慢性甲状腺炎(橋本病)など
脂質異常症(高脂血症・低脂血症)
脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中の脂質濃度が基準値から外れた状態で、脂質の濃度が基準値より高い状態を「高脂血症」、低い状態を「低脂血症」と言います。
高脂血症
高脂血症の原因としては、食生活・食事が大きく影響していると考えられます。たとえば、動物性脂肪の多い高カロリー食は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質を増加させます。
高脂血症は、高脂血症だとはっきりわかる自覚症状がないため、症状だけで高脂血症を早期発見することは難しく考えられます。
しかし、高脂血症を放っておくと増えた脂質がどんどん血管の内側にたまってしまい、知らないうちに体の血管が傷ついてしまい、動脈硬化を引き起こす恐れがあります。定期的に病院での健康診断を受けることが重要です
また、高脂血症は動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコールなど総合的に判断しながら、生活習慣を見直し、予防することが大切です。
低脂血症
低脂血症とは、血清脂質濃度が通常低いとされている濃度よりもさらに低い値を示す疾患です。
甲状腺機能亢進症、悪性疾患、慢性感染、栄養不良などが原因となって低脂血症が生じている二次性の場合と、原因が分からない原発性の場合があります。
低脂血症では、特別な治療は行われないことがほどんどです。原因がわからない原発性で現れている症状によっては、脂溶性ビタミン剤の補充が行われたり、脂肪制限、必須脂肪酸の補充などが行われます。
低脂血症を引き起こす原因となる疾患がある場合には、その原因疾患の治療が優先されます。
糖尿病
糖尿病とは、血糖値の高い状態が続き、全身のさまざまな臓器に影響が起こる病気のことです。糖尿病と診断されたときには、たとえ何も症状を感じなくても、さまざまな合併症を防ぐために、治療に取り組むことがとても大切です。
糖尿病というと、過食や肥満、ストレスが大きな原因と言われますが 現代では食べ物の栄養価が高くなっているため、誰にでも起こりやすい病気です。
また、糖尿病患者の家族や親類(家系)には、他にも糖尿病の人がいる事が多く、これは糖尿病になりやすい体質(素因)が関係しています。
血糖値が高くなったために現れる症状
全身の倦怠感(だるさ)、疲れやすさ、喉の渇き、尿の量が多い、尿の回数が多い(頻尿)、多く食べ過ぎる
糖尿病の合併症による症状
視力が弱まる、知覚異常、神経痛、皮膚のかゆみ、めまい、陰部のかゆみ、立ちくらみ
糖尿病症状は上記のように分けられます。高血糖だけによる症状は、治療を行い血糖値が下がれば消失できます。
ただし、一度発症してしまった糖尿病の症状は繰り返し起こる可能性が高いので、自分の血糖値が高めだと自覚されている方は、事前に何かしらの対処をしておくとこが重要です。
高血糖状態を放置し続けると、さまざまな重大な合併症を引き起こします。糖尿病治療の目的は、この糖尿病合併症をいかに防ぐかということにあります。
治療はまず高血糖状態を是正するために、食事療法・運動療法を基本にしながらも、時に薬物療法を加えて、血糖値を正常値により近づけて良好な血糖コントロールを維持することから始めます。
肥満症
肥満とは、単なる体重の増加ではなく、からだに脂肪組織が過剰にふえた状態です。
肥満かどうかを調べるには、脂肪組織の量を測定することが必要で、弱い電流を流してその伝導の状態から体脂肪の割合を測定するインピーダンス法など、多くの方法があります。
目安としては、身長と体重から計算されるBMI(Body Mass Index)の数値が25以上あると、肥満といえます。
体脂肪率や体重は、肥満を判定する上で大切ですが、近年、成人病と関連があると注目されているのが、体のどの部分に脂肪がついているかということです。
体重と同時に体脂肪率もはかれるという「インピーダンス法」を使った器具などがありますが、同じ体脂肪の数値が出ても、脂肪のつき方によって病気の起こりやすさは違ってきます。
内臓脂肪型肥満
皮下に、まんべんなく脂肪のついている皮下脂肪型肥満(下半身肥満、洋ナシ型肥満)は、割と病気を伴うことがないのですが、腸の膜についた脂肪が多い内臓脂肪型肥満(上半身肥満、リンゴ型肥満)は要注意です。外見はそれほど太っていなくても、お腹が非常に出ている人は、内臓脂肪がついている可能性があります。
お腹の中に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満では、皮下脂肪型肥満に比べて、糖尿病や高脂血症、高血圧、さらには冠動脈硬化症を起こしやすいことが明らかになっています。
肥満症の解消方法
肥満症の解消方法は大きく2つ。食事療法および運動療法です。肥満度が高く、すでに合併症が進行している場合などは薬物療法や外科的治療を行うことがあります。
食道の病気
逆流性食道炎
胃液や胆汁などの消化液の逆流によって起こる食道の炎症で、胸焼けや胸痛が症状としてみられます。命にかかわる病気ではありませんが、症状があれば治療で改善するため、病院に受診をおすすめします。
食道静脈瘤
肝硬変などが原因で起きる病気です。食道の粘膜の下にある静脈が太く怒張した状態を言います。これが破裂すると大量の吐血の原因となります。大量出血に伴い、ショック状態から生命の危険にさらされることもある病気です。
食道癌
食道に出来る癌で、男性に多い病気です。喫煙者、アルコール多飲の人に出来やすく、早期では「わずかにしみるような感じ」だったり、「わずかに胸が痛い」といった症状が出ることがあります。
進行すると、食事がつかえる、飲み込めないといった症状にかわります。もちろん癌ですから、進行すれば命にかかわる病気です。
胃の病気
急性胃炎
暴飲暴食をしたり、アスピリンのような鎮痛剤などを飲んだりすると急性胃炎を起こすことがあります。上腹部痛や吐き気、嘔吐などが起こります。
まずは原因を取り除くことが一番の治療となります。症状が強い場合は、胃酸を抑える薬や粘膜を保護する薬も有用です。
慢性胃炎
とても多い病気で、腹部の不快感、もたれる感じ、食欲不振、消化不良などが起こります。ストレスやアルコールの飲みすぎ、タバコの吸いすぎなど不摂生が原因のことがしばしば。ピロリ菌が関与することもわかってきています。急性胃炎同様、原因を取り除くことが大事です。診断には胃内視鏡検査が有用です。
胃潰瘍
胃酸が増えたり、粘膜防御が弱まったりして、胃の粘膜が傷つくと胃潰瘍になります。ストレス、アルコール、カフェインなどが関係していますが、ピロリ菌という細菌が胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こすのに重要な働きをしているといわれています。
ひどくなると、胃に穴があいてしまうこともある怖い病気です。慢性胃炎以上に、診断には胃内視鏡検査が有用です。胃の痛みを繰り返す場合には、病院を受診しましょう。
胃がん
日本において消化器系の癌は癌全体の半分以上を占めています。その中でも、胃がんは最も多いものです。
男性では死亡率は肺癌よりも低くなりましたが、依然として男性にとっても、女性にとっても死亡率の高い病気です。健診などを利用した早期発見が重要になります。
小腸・大腸の病気
虫垂炎
よく盲腸といわれる病気です。本当は盲腸というのは、小腸から大腸に移行する大腸の始まりの部分を指します。そして虫垂はこの場所から垂れ下がるように出た部分で、ここに炎症を起こすと、虫垂炎となるのです。
最初、みぞおちの辺りに痛みが出現し、だんだんと右下腹部に痛みが移動するようなときは虫垂炎を疑います。よくある病気ですが、腹膜炎を起こしたりもする、決してあなどれない病気です。
感染性腸炎
食品や水などを介して、胃腸に細菌やウイルスが入ってきて起きる病気です。細菌では大腸菌といった良く聞く名前のものから、ブドウ球菌、コレラ、赤痢菌などが原因となります。ウイルスではノロウイルスやロタウイルスなどが原因となります。
症状としては嘔吐・下痢・発熱・血便・腹痛などがあります。症状が軽ければスポーツドリンクなどの補液で対応できますが、水分も口にできない、血便があるなどといった場合は、抗生剤の投与や点滴の必要になることもあるので、病院を受診しましょう。
過敏性腸症候群
思春期の女性や、ストレスの多い30代や40代の男性に多くみられます。ストレスや精神的な動揺がきっかけで、腹痛を伴う便秘、下痢、もしくは便秘と下痢を繰り返したりします。ただいろいろ検査をしてもそれらの原因となる異常が見られないときに、この病気を考えます。
倦怠感や不安、不眠、頭痛などを伴うこともあります。命にかかわる病気ではありません。自分でうまく付き合っていけるようであればストレスを減らすような生活でいいですが、症状がつらいときには薬の投与で改善することもあるので、医師と相談してみましょう。
潰瘍性大腸炎
主に大腸の粘膜で炎症を起こす原因不明の病気で、大腸に潰瘍が出来たりします。15歳~30歳の若年成人に多いといわれています。
腹痛、下痢、血性下痢、発熱などを繰り返しているときにはこの病気も考えなければいけません。この病気と診断を受けた場合は、継続的な薬物療法が必要になりますので、定期的な通院が大切になります。
大腸がん
これまでは欧米では胃癌が少なく、大腸癌が多い、そして日本では胃癌が多く、大腸癌が少なかったのですが、最近は食事内容の欧米化に伴い、日本でも大腸癌が増加してきました。
大腸癌により通過障害(便秘)が起きたり、下痢が起きたり、その両方を繰り返したりします。出血により、下血することもあります。
便秘症
じつは便秘症には明確な定義はありません。2~3日に一回しか排便がない人でも、おなかが張ったり食欲がなくなるなどの自覚症状がなければ便秘症とは言いません。
しかし、その時の便がかたい場合は、便秘症といっていいでしょう。一般には3~4日以上便通がないことを便秘と呼ばれています。
便秘になると大腸がんのリスクが上がるのは有名な話ですが、便というのは私達が食べた食事の最後の姿であり、これは当然、体には要らないものです。このカス(腐敗物質)が長い間体にたまったままだと、女性の敵でもある肌荒れやむくみが起きてきます。
さらに、お腹の中では1日に2~3リットルものガス(おなら)がつくられます。けれど便秘で逃げ道をふさがれたガスは、どんどんお腹の中にたまっていってしまいます。これが便秘症の時に起きるお腹の張りの原因です。さらに、そのガスで膨らんだ腸が胃を下から圧迫し、胸やけやげっぷ、さらには逆流性食道炎の原因となるのです。
また便秘症の不快信号は脳に伝わり、気分がすぐれなくなりストレスを常に感じている状態になってしまい、さらに痔になる原因や悪化する要因となります。
肝機能障害
肝機能障害とは、肝臓が何らかの異常によって障害を受けることにより、正常に機能しなくなることをいいます。γ-GTP・GOT(AST)・GPT(ALT)といった肝機能の数値で肝機能障害がどの程度の状態であるかを判断します。
肝臓は沈黙の臓器といわれ、自覚症状がないことが多いですが、進行すると全身倦怠感・食欲不振・黄疸などの症状が現れます。肝機能障害をそのまま放置すると、肝炎・肝硬変・肝臓がんなどに進行する恐れがあります。