中絶と妊娠週数について|手術できる時期や数え方、費用など
赤ちゃんを妊娠したものの、様々な理由から中絶を決断する方は多くいます。
しかし中には、「中絶はいつできるんだろう?」「妊娠週数によって手術方法が違うのかな?」など疑問をもっている方もいるでしょう。
実際、中絶手術の方法は妊娠週数によって異なります。
そこで本記事では、中絶と妊娠週数について詳しく解説します。
中絶にかかる費用についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
中絶手術可能な妊娠週数は?何ヶ月?
中絶手術ができるのは、妊娠22週未満(21週6日)までです。
つまり、妊娠してから5ヶ月以内であれば手術可能というわけです。
妊娠22週目以降になると、母体保護法という法律によって手術できないと決められています。
妊娠週数はいつから数える?数え方を紹介
中絶手術を行うためには、妊娠週数が関わっていることをお話ししました。では、妊娠週数はどのように数えるのでしょうか。ここでは、妊娠週数の数え方を確認しましょう。
妊娠週数は「最終月経日」と「超音波計測値」をもって数えられます。
最終月経日での数え方
こちらは、最終月経開始日を妊娠0日目として、検査日の週数日数が妊娠週数の日数になる数え方です。
例えば、生理予定日より1週間4日遅れている場合、最終月経開始日から5週4日経っていますので、妊娠週数にすると5週4日になります。
また、生理予定日より月経が8週間(2ヶ月)ほど来ていない場合は、月経開始日から12週間ほど過ぎているため、妊娠週数の日数は12週くらいです。
ただし、最終月経日での数え方は月経周期が28日であることが前提となっており、月経不順の方だと妊娠週数は不正確になってしまいます。
超音波計測値での数え方
超音波計測値で数える場合は、以下のように判定します。
- 妊娠4~5週目:胎嚢が確認できる
- 妊娠5〜6週目:卵黄嚢・胎芽が確認できる
- 妊娠8〜10週目:頭殿長で判断(14~41ミリが目安)
- 妊娠11週目以降:大横径で判断
妊娠8〜10週目あたりは胎児の頭殿長(とうでんちょう)で、妊娠11週目以降は大横径(だいおうけい)で妊娠週数を決定します。
それぞれの言葉の意味は下記の通りです。
- 頭殿長(CRL):頭からお尻までの長さ
- 大横径(BPD):左右の頭頂骨の直径
妊娠初期は発育に関して個体差が少ないため、CRL・BPDによって精度の高い妊娠週数を決められます。
そのため、妊娠週数を数える際は、最終月経日を参考にし、超音波検査の結果を優先した上で総合的に決まるのです。
妊娠週数による「初期中絶」と「中期中絶」の異なる点
中絶手術できるのは、妊娠22週未満までとお話ししました。
中絶手術は、妊娠22週未満の中でも「初期中絶」と「中期中絶」の2つの時期に分けられます。
クリニックによっては、初期中絶のみを対象にしているところもあり、池袋クリニックも該当します。
初期中絶と中期中絶の時期や特徴をまとめた表が以下の通りです。
初期中絶 | 中期中絶 | |
---|---|---|
時期 | 妊娠11週6日目まで | 妊娠12週~21週6日目まで |
手術方法 | 掻爬(そうは)法 吸引法 | 分娩法 (12〜13週だと掻爬法・吸引法) |
前処置 | なし | あり |
痛みや出血 | ほとんどなし | 通常分娩よりは痛くない 多少の出血はあり |
入院 | なし | 3日~1週間程度 |
受け入れ先 | 母体保護法指定クリニック | 入院設備のある医療機関 |
手術時間 | 約10分 | (前処置を含め)1日以上 |
法律上の扱い | 人工妊娠中絶 | 人工死産 |
費用目安 | 10〜15万円 | 30〜60万円 |
死産届け | 不要 | 区役所に提出 |
埋葬 | 不要 | 埋葬許可書を取得し後に埋葬 |
助成金 | なし | 健康保険加入者に出産育児一時金を支給 |
表を見てわかるように、中期中絶になると「人工死産」扱いになります。
そのため、術後に死産届けの提出や、埋葬許可書の取得が必要です。
手術の痛みや出血などが初期中絶よりも大きく、費用の負担も大きくなることから、可能な限り初期中絶することをおすすめします。
中絶手術は妊娠週数で費用が変わる?
中絶手術の費用は、初期中絶か中期中絶かによって費用が大きく変わります。
そもそも、中期中絶は入院設備の整った医療機関でのみできる手術ですので、その分値段は高くなるからです。目安として、初期中絶の場合は約10〜25万円ほど、中期中絶の場合は約30〜50万円くらいとなっています。
また、初期中絶の場合、週数によって値段が変わるクリニックもあれば、週数に関係なく一律の費用に設定しているところもあります。
例えば、妊娠9週目までの場合は10万円、妊娠10週目以降の場合は12万円などです。
池袋クリニックの中絶手術の値段
参考までに、当院の中絶費用を紹介します。
手術前診察料 | 9,900円(税込) |
人工妊娠中絶手術料金 | 66,000円(税込) ※土曜は99,000円 |
池袋クリニックの場合、妊娠週数によって値段が変わることはありません。
ただし、当院で対応しているのは11週6日までの初期中絶です。
中期中絶には対応しておりませんので、ご注意ください。
まとめ
中絶手術をできるのは妊娠22週未満で、妊娠週数は「最終月経日」か「超音波計測値」で確認可能です。
池袋クリニックでは、超音波検査で正確な妊娠週数をチェックします。
妊娠週数によって、中絶手術は「初期中絶」と「中期中絶」に分けられ、身体的・心理的・経済的な負担を考えると初期中絶がおすすめです。
そのためにも、できるだけ早めの決断とクリニックへの相談を行いましょう。
当院では中絶手術への不安を乗り越えられるようサポートし、患者様にできる限り納得いただいた上で手術を受けて頂いております。
ぜひ気軽にご相談ください。